5000年という長い歴史の中でその価値は金と同等であった時代があります。
多くの生産者の手間ひまをかけてもなお、わずかにしかできない美しい糸や生地は、許された者だけが身にまとうことができ、当時の人々の憧れでした。
そして現代になり、飛躍的に工業化が進み、むろんシルクも例外でなく大量生産の時代を迎えました。
そこでは機械によって完成する一分のくるいもなく完璧にまで均一化されたものが良いモノとされ、自然から生まれる不均一なものはその多くが排除されていきました。
曲がったキュウリ、虫の喰った白菜、すべては自然から生まれるものですが、食べ物でさえ、均一化の波にのまれ、店頭から姿を消しました。
「しかし、人々は本当にそれを望んでいるのでしょうか?」
工業製品に囲まれた生活を送りながらも、畳の部屋に安堵し、スチールデスクで仕事をしながらも、家では木製のテーブルを使い、都会の生活に疲れては、田舎暮らしにあこがれ、そして、世の中には「自然」や「ナチュラル」といった言葉があふれかえっています。
私たちが作るシルクの糸や生地は均一ではありません。
それは、ありのままのシルクの姿をお伝えしたいからです。
そして、シルクがなぜ繊維の女王と呼ばれるに至ったか。
私たちの製品を通じて是非その本質を感じてください。